イギリス・チェルシーフラワーショーへ行く
2010年 5月
英国王立園芸協会(RHSJ)主催のチェルシー・フラワーショーのジャパン・ツアーに、先回プロヴァンスに同行させて頂いた主治医の先生姉妹と三人での参加となりました。 会員である先生姉妹は、毎年イギリスのチェルシーフラワーショーに参加しておられる為、花の絵を描いている私に、是非フラワーショーの素晴らしい花達を見ると良いのでわないかと誘って下さいました。
早速、ロンドン・ヒースロー空港で、ツアー・コーディネーターの方の出迎えを受け、バスに乗った途端、挨拶そこそこにコーディネーターのRHSの説明が始まりました。何と英国王立園芸の内容の深い事、単に花を愛でる為に来た私には、場違いの説明に少々戸惑いを感じてしまいました。イギリス人の花に対する思いの深さには、古い歴史が有る事を知りました。

先ず7泊8日の旅はロンドン郊外の ストラトフォード・アポン・エイヴォン(Stratford-upon-Avon)を基点にガーデン見学となりました。
スードリー・キャッスル・ガーデン(Sudeley castle and Gardens)
ミル・ディーン・ガーデン (Mill dene Gardens)
キフツゲイト・コート (Kiftsgate court)
オックスフオード・ボタニカル・ガーデン(Okford botanic garden)
ウォーターペリー・ガーデイン(Waterperry Gardens)
ロンドンから西へ200キロ、オックスフォードの美しい丘陵地帯からコッツウオールズの村々が点在する、その畑や草原の美しい事。今までに見て来た数々の南ヨーロッパの家々とは全く違い、南ヨーロッパが太陽の日差しを遮る為の窓の造りや白壁に対し、イギリス郊外の農家では、冬の寒さにも耐えるライムストーンの蜂蜜色で有名な、石造りの重厚な家々が、幾世紀もの間を生き抜いてきた姿で残っていました。コッツウオールズでは、シェークスピアの妻のアン・ハサウェイが結婚するまで住んでいたと云う19世紀の裕福な農家の佇まいが、そのままの姿で大切に保存されており、独特の茅葺き屋根と木組みの壁の家々は、訪れた私は400年前にタイムスリップしてしまった様な錯覚にさせられました。

(RHS CHELSEA FLOWER SHOW 2010)

ロンドン郊外のチェルシーでは、毎年日本でもニュースで取り上げられる程、世界的に名高いフラワーショーで、世界各国から専門家が集まり、コンテストでは、日本からも和風庭園として参加していました。テントの中は非常に広く、全部を見て回るには二日間を要する程でした。斬新な野菜や果物の飾り付けから、多肉植物、食虫植物、メインである花は、品種改良された物など、見た事の無い花、可憐な花、ゴージャスな花等、種類の豊富さは圧巻でした。百合やチューリップ、ヒヤシンス水仙などは、日本でもお馴染みの感じですが、ディスプレは流石です。またラヴェンダーの種類の豊富な事、小さな小さな種や球根から、どうしてこの様な見事な花が生まれてくるのか、とても不思議に思われてなりません。

(MILL DENE GARDEN)

ミル・ディーン ガーデンのミルは水車小屋、ディーンは川の名前。ロンドン郊外にあるこの庭園は、コッツウオールズ独特のライムストーン(蜂蜜色)の家並みの一角に有り、入り口を入ると手入れの行き届いた庭の片隅には小川が流れ、アヒルが自由に歩き回っている様子は、何と長閑な風景か。只聞こえてくるのは、小川のせせらぎの音、アヒルの鳴き声、小鳥の囀り。自然と私達のおしゃべりも密やかに成ってしまう程の静寂さ。

観光バスで大勢が一度に見学に訪れると云う事のない、静かな庭園があちらこちらにあり、私の思う自宅の庭とは規模の全く違う庭(庭園)を一般の人々に公開しながら美しさを競い合っているのです。私の訪れたこの時期は、フラワーショーの為の温室栽培の花とは違い、気候の加減でしょうか、満開と言う感じではありませんでした。

(OXFORD BOTANIC GARDEN WATERPERRY GARDEN)

オックスフォード・ボタニカル・ガーデンは、植物研究所でもあり、広大な敷地内には、鬱蒼とした森や池や沼、耕し途中の畑、立派な温室の中では、不思議な色形のブルーのインクで染めたかの様な多肉植物、不気味な程大きな食虫植物等などがあり、庭園内は色とりどりの花々で楽しませてくれました。

ウィートレイのウォーターペリー・ガーデンはオックスフォード・ボタニカル・ガーデンとは趣きの違う、杉などの大樹の寄せ植えのコニファーガーデン(コニファーとは針葉樹の総称)や、リンデンバーム(葉の横から、うすっぺらな種がぶる下がるのが特徴)、タマリスク(中国・モンゴルが原産で和名を御柳と云うが柳では無いとの事、淡いピンクの繊細な花木)そしてライラックの房の見事なこと。ハンカチの木は、本当に白くハンカチに成りそうな大きさの葉っぱです。

8日間のロンドン、チェルシー・フラワーショーの旅は、改めて私に草花の奥深さを教えてくれました。 イギリスと日本の気温の差は当然ですが、湿度の高い低いはとても大きな事です。また伊豆高原では、坂の下と我が家のある、高原の上の方とでは、花の咲く時期が違って、目を凝らさないと分らない様な小さな種が、与えられた場所場所で懸命に生きようとしている様を創造すると、種を適当に土に蒔いていた事を少々悔やまれます。これからも、折角実った実を食べてしまう台湾リスや、植えた苗を掘り起こしてしまうモグラとの戦いに負けず、花や木を育てて行こうと思います。

メインページに戻る