2006年11月16日(木)
資格と信用は違う…

昨今の過当競争の中、当院も生き残りをかけて、このようにネット上では「広告」も出している。しかし、誇大広告はよくないし、一応今の制度、法律を逸脱するのはよくない。誰もが何の制約もなく目にすることができるところの広告は、医療機関は制限がされている。戸外の広告、折込、雑誌上などはそれに該当する。でも、美容外科などが盛んに広告を出しているのは、本を出版しその広告だとか、やらせの取材の形態をとって、グレーゾーン?の広告にしているためである。
 とある歯科は、タウン誌に毎回診療内容の広告を出している。歯科医師会員でないため、会としては静観…ということだが、それはどうかと思う…。むしろ逆で積極的に保健所など取締りの役所に言ったほうがいいのではないかと思うのだが…
 タウン誌なので、巻末のクーポン券がついていてそれを持っていけば無料で○○を受けられる…って、いいわけ?歯科医院だって商売といえばそうだがやはり「医療」である。とにかく、法律で禁止されていることを堂々とするのはいかがなものかと思う。
 ネット上でも戦略的に広告を出している。人気投票サイトでもいきなり上位…になるわけないので、これはやらせが入っている…うちもやろか?とふと思うのだが、生真面目なのでやっていない。
 ま、そのくらいはいいのだが…
 技術を伴えばまだいいのだが、専門医というにはやけに経験が乏しい。そのまま経歴を書いてあるが、これで専門医?と思ってしまう。専門医でない私のほうが経験ありそうかも…とも考えてしまう。この年数で開業して、難しい舌○矯○もする、インプ○○ト矯○もやる…ってほんとかな?
 1回で終わるホワイトニングとやらもある。信頼できる情報として、ある方が受けに行き、痛みでのた打ち回り休日に総合病院に駆け込んだという。厚生労働省認可のホワイトニング剤で、そのようなものは販売されていない。無認可のものだ。個人で使用するにはいいのだが広告を打って使うのはどうだろうか?
 ○○専門医と思いきや、歯の外傷で駆け込んだ子供の前歯(永久歯)をすぐ抜歯してしまい、自費のブリッジの説明をし出したと言う。しかも地域相場より高額。また、成長期の子供には不適当だし、仮に已む無くブリッジにしたとしても、成人のころおそらくやり直す必要があるので、どうかと思うのだが…
 よほど条件が悪くない限り、永久歯はひとまず何とか保存するのだが、抜け落ちても再植するし、折れていたら接着するのだ。ほんとに抜く必要があったのか?…と後で近所の別の医院に相談があったという。…抜いた後だけ見ても、抜かずに済んだ…とは言えない。術前が分からないのだから。とにかく大切な説明がほとんどなかったらしい。
 そこで○○治療の相談をしたという患者さんが来院された。まだ小学生低学年である。以前はともかく、今は、その時期に歯列不正があっても必ず歯を4本抜歯するとは言い切れない。でも、そういう前提での話だったという。
 念のため言うと、当院の近くの医院ではない。
 首をかしげる方針の歯科医院が堂々と治療している…
 何とかもっと勉強をして自身の利益だけでなく、患者さんのためを第一に、行ってほしいと思うのだ。


 

2005年12月18日(日)
良い考えが欲しい…

さて、また、違う話題。
 何とか「営業成績」をあげよう…という点では繋がる。
 姉歯さん、変わった苗字…歯が付いているなんて…というのは多くの人が別の意味でも関心を寄せる。
 偽装を知った建築士か誰かが知らせなければまだ発覚せずそのままだったわけである。何でも良くないことを知ったらすぐ明らかに出来るかどうか…出来ない状況もあるかも知れない。それはいろいろなことが考えられるだろう。
 知らないうちに自分も関わっていた…とか、自分の中でははっきりしているが客観的に立証が困難だとか、相手がいる場合は、その人の思いなり考えもある。言っても仕方ないから諦めるとか、明らかにしても周りの理解が困難、無関心であるとか、問題のある相手の方が大きくて逆に自分が潰されるかもという不安や、裏社会の人が出てくる可能性など…考えられる。

 さて、詰めて済む虫歯でも、大きく削って被せた方がお金はいただける。税金の申告制度と同じで、今回の建築偽装問題もそうだが性善説に立っている。ちょっと余分に削っても、患者さんには分かりにくい。そこはしっかりした歯科医学的判断及び良心も必要である。
 少しはチェック出来る部分もある。カルテやレントゲンが残るので、何かの折りに調べることも出来ないことはない。また、診療報酬の請求書(レセプト)の請求内容から平均より突出した部分などがあると、おかしいのでは?と推測できることもある。しかし、それだけではなかなか難しい。むしろ真面目に治療していても、特徴あることをしていると目立って疑われたりすることもある。
 他院で被せたが調子が悪い…と言って来院された方…、余所で思わしくないから…と言われることは良くあることだ。多くは決してその医院が、先生が悪いわけではない。その歯の予後が悪いのだ。私のところで良くならない…と言って他の医院へ行く人も少なくなかろう。どの先生もそう言うことは致し方ないと承知している。普通の治療に於いて自分だけがうまく治している…と自信を持っているとしたらむしろおかしい。
  調子が悪いならやはりやり直さねばならない。自分が治療したものが予後が悪いとなれば、もう少し様子をみたら改善するかも(実際そう言うことはある)…と考えるのは医者も人なので仕方ない。しかし、悪戯に先延ばししてもいけない。
 冠を外すと、周囲が元々の歯質があり真ん中に栓をするような金属の土台(コア)が現れた。歯質が比較的残っている場合はわざわざ金属コアにしなくても、セメントやレジンでも良いはずだ。その方が患者さんの来院回数も減る。何にしても歯質を残すことが出来る。何故深くまっすぐ差す必要がある金属コアをこのような場合に使うのか?しかも金属を入れてあるだけで全然深くまで差していなかった。
 いい加減な金属コアだな…金属の方が少しだけ高いし、形成時に加算があるので恐らくそのためにわざわざ金属コアにしたのではないか?しかし金属を使うと技工料もかかるので、一見点数が少ないレジンやセメントの方が収入が少ないとは言い切れない。経営的観点から考えると分かる。
 その歯はひょっとすると全部被せなくても部分的でも良かったかも知れない…金属冠にすると必ず全部被覆しないといけないのだ。部分にすると最後の修復物が大幅に安くなってしまう。とにかく点数を上げるために削ったのではないか?と思えた。
 勤務医で保険点数に対しての歩合制で給与を貰うとすれば、とにかく点数の上がる方を選ぶと思う。雇う側がその先生にかかる技工料も勘案していれば良いのであるが…。

 1人そのような患者さんがいたからと言って疑うのではない。何人も来たら?あれ、まただ、またあそこの医院か…ということが分かってくる。別の先生と話をすると、「そうだろう、俺もそう思った」と言われる。患者さんはずっと変わらず自分のところに通ってくれる方もあれば、変わっていく方も多い。必ずしも不満が無くても変わることはあるのだ。自分の治療が顔見知りの他の先生の目にも晒される…と思ったときに、性善説は働くのである。そう言った意味で、見えない部分で「歯科医師会」の集まりというものが、役立っているかもしれない。
 
  連続2本欠損してしまった場合、条件により土台は隣の2本だけでなく3本だったり4本のこともある。しかし、負担できる強さがある土台ならなるだけ削る歯は少なくすべきであろう。特に土台に足す歯が健全であれば余計にだ。…しかし、ある方はもう一本足さないと土台として弱いから…と側切歯と犬歯及び第一大臼歯を土台(支台)にしてブリッジを入れられた。側切歯はブリッジ前は健全だった。犬歯も長くて負担には十分と思われた。何故削ってしまったか…
  
  入れ歯が合わない…という方、そりゃ私でも合わせられないことはあるだろう…難しい例は誰がやってもそうなのだ。しかし、その方はどう見ても入れ歯を入れると噛み合わせがおかしい。余所のものだとはいえせっかく作ったのだから何とか合わせようとしたがすぐ無理だと思った。でも、これに慣れないといけない…と言われたという…。うーむそれはひどい藪だな…ここでまた入れ歯嫌いを作ってはいけない…何とかするには、ひとまずその入れ歯を半分に切断。小さい入れ歯にして噛み合わせも整えて粘膜面も弾性材料を張り、使って貰うことにした。
 「これなら使えそうです…」
 その後その方は本来の面積のある新しい入れ歯を受け入れてくれた。

  虫歯がひどくなってはいけない…と幼児4歳を連れて行ったら、あちこち詰めないといけないと言われ、押さえつけられて次々金属を入れられた。泣くけど必要なら仕方ないと思った。でも、詰めたものがすぐ取れてしまう。作り直すと膿んできてしまう…の繰り返し。子供も一向に慣れない…と言うことで来院された。
 うちに来たって、そりゃ泣くわな…膿んだところは仕方ないから押さえつけでても治療した。少しの虫歯は進行止めだけにした。歯だけ見たら詰めた方がよいように見えても幼少と言うことを考えて、頻繁に進行止めを塗ることで管理を考えた。最初抵抗しても痛みがないことが子供にも分かってくるとだんだん泣かなくなった。前の医院にかかっていたときより成長した…と言うことを差し引いても、すぐ削って詰めなくても良いことは明らかだ。
 歯科医でしか分からない部分ではなくて、この子の場合は母親が、「進行止めにしている歯はそのままほとんど変わらず痛みも膿んでくることもない。最初削った歯は素人目かもしれないけどもっと小さかった。結果的に手を付けてない歯の方が持っている…」と感想を言われた。その通りである。
 乳歯は歯質が薄くすぐ神経に達してしまう。金属の場合はやや切削量が多く必要だ。少なくすると噛んで取れてしまう。削り勧めると神経がやられてしまう。私も昔は乳歯の神経を取ることは毎日だった。今は減った。充填用セメントの質の向上や3MIXの薬剤のおかげである。詰めるにしても金属でなくてセメントやコンポマー、レジンの方が良いと思う。白いし。それ以前に進行止めの多用の方が良いのだ。

 いくらサービスで売っても、最も大切な治療の部分でおかしいことがあれば、もっと、噂に上っても良いかもしれないのになかなかそうでもないようだ。他の歯科医の目も気にならないというのもどういう神経をしているのか?と思う。

 極めつけは、私が見たわけではないが、他の先生が言われたことだが…
 5歳児で、下の前歯の永久歯がこのままでは生えないので、乳歯を抜き、骨を少し削って生やす治療が必要…と言われたというのだ。レントゲンを撮っても特に過剰歯も嚢胞も何も異常は写っていなかった。5歳なら永久歯がまだ生えて無くても当然である。7歳でまだなら少しは心配だが個人差もあるので、必ずしもどんどん抜くとは限らない。5歳なら何もしなくて良いに決まっているのだ。それを、わざわざ抜歯して骨まで削る必要はどこにあるのか?
 お母さんが心配されて、ベテランのその先生に相談され、恐らく点数を上げるために不必要な「治療」を勧めたのだ…と言うことがはっきりした。
 よくもそんなひどいことを言えるものだな…
 大人しいお母さんならそのまま従ってしまったかも知れない。それで障害が残るとかそう言うことは無いが、他院に聞きに行かずにそのまま「治療」を受けている患者さんが少なからずいる可能性はあるだろう。

 さて、患者さんを食い物にするようなけしからん医療機関を何とか懲らしめられないか?と思うのであるが、証明が難しい、他の部分で話をしても、医院同士の足の引っ張り合いに思われてしまう。保健所だけでなく歯科医師会の幹部でも無関心であるなら、犠牲が分かっていても暫く雌伏しているしかないのか…
 気になるのは犠牲の方のこともあるが、知っていて見過ごしている…という状態は果たして良いのか?
 構造建築の偽装を知って、自分が利益に関わっていなくても、見逃している検査機関のようなものではないのか?…何とか良い方法があれば…と思う今日この頃である。





 

2005年12月18日(日)
チラシやキャンペーン
 お役人というのは、その時の担当の仕事が何ごともなくこなして過ぎていけばそれで言いと考えている人たちなのだ…とある方は言われた。考えるのは上から言われたことに合わせられるかどうか、担当員は部課長、市町村は県、県は国のご意向に沿うように書類を整えるだけである。
 何かあると、何で俺の時に…以前からのことなのに…と思うであろう。
 まあそれは、民間の他の職域でも誰でも多少は思うことではある。役所の方が皆やる気がないようなことを言ってるのではない。行政とつながりの深い私たちである。たまに、そう思う方もあった…ということだ。たまたま見ても怒らないでね(^^;)

 さて、ある医療機関は、駅のそばで情報誌を配っている。医療機関なのでやはりその辺りは踏まえていてその医院に関する直接の広告はない。しかし、スタッフが白衣で道行く人に手渡ししている。要らないと言っても…無くならないと困るのか、無理にでも渡すらしい。
 そう言えばこの春やっていた歯科衛生士の主役の番組でもチラシを配っていたので、どうってことはないのかも知れない。医療を提供している…という意識は、果たしてサービスの観点からはマイナスなのだろうか?でも、誇りを持って仕事はしたいし、ても、閑古鳥が鳴いたら困るし…個人なら、縮小してでも何とかやっていけばいいが、チェ−ン展開している場合は、投資した資本を回収する必要がある。治療もサービスも良くて…ならチラシ配って歯科医療の啓発をするのも良いだろう…。しかし、往々にして組織の維持の方が目的になってしまっていないか?と危惧する部分もある。
 現時点ではその医院の広告に踏み込んだ内容がない限り、違反ではないらしい。でも、その近在の他の医院としては忌々しい…はずだ。同じ会に入っていれば、なかなかそんなことは出来ないだろう。
 そこは、男子アルバイト募集…という窓の広告が以前にあったが、男子って…と不思議だったがチラシをポスティングするのが目的だったようだ。うーん、歯科医師の発想ではないなー、コンサルタントでも付いているのかも知れない。
 ポスティングは隣接市の当初日曜診療していた医院でもやっていた。商店なら全く問題は無かろう…でも、医療なのだから…という発想はもう古くて偉ぶる発想なのだろうか?

 違う医院は、ポイント制を導入している。来院ごとに付く。詳細は知らないが、10個か20個で、図書券やスーパーの買い物券などがもらえるそうだ。まあ、ついつい中断してしまうのを抑制する目的として(多分言い訳としては良いだろう)また来させる効果はあるだろう。でも、景品を出して良いのか?…広告規制に違反はないか?
 患者さんらは最初はびっくりしてもすぐ慣れてしまうらしい。
 また、初診時は日用品の詰め合わせの景品がもらえるし、新たに誰かを紹介すると、紹介した方にまた景品を渡すという。普通のお店でも、そこまでしないよね?
 ○○周年記念の時は、広告が出て、内覧会の案内があったが、行って、保険証を出して特別健診500円を受けると、豪華賞品が当たるというキャンペーンもあった。内覧会という広告なのに、検診を受けないと診療室には入れなかったらしい。何の変哲もない待合室見て内覧会なのか?保険証で一律500円はおかしい。健診して虫歯などあれば、保険証なら500円ではなくて、初診料で540円か、820円なのである。健診目的は本来保険外だが、それで500円なら保険証は要らないはずである。その辺は問題が分かってやっているのか、新聞広告には出ていなかった。
 景品は、石油ファンヒーターなど…いくつか聞いたが行った人の又聞きなので忘れてしまったが、結構な品々だったらしい。

 うちも、子供には消しゴムのおもちゃなどをあげるし、ブラッシング指導で歯ブラシを渡している。でもあからさま景品ではない。

 最初のお役人の文と繋がらない?いや、ちょっと伝えても無駄だった…という意味で繋がるのである。

2005年12月17日(土)
適正なフッ素塗布とは

定期検診などの案内は最近はどこの医院も出している。それは必要だ。特に幼児や歯周病の管理には有効である。常在菌による疾患である歯科の特徴があるので、菌を撲滅すれば良し…というわけには行かないのである。
 医療機関で塗布するフッ素は、薬剤の説明書を見ると年に1〜2回と出ている。しかし、幼児に完璧な塗布がしにくいこともあるので、少し回数を増やして補う…ということは実態に合っていると思う。また、成長とともに歯は唾液のカルシウムで表面が密になるので浸透しにくくなる。小学生くらいになれば、もっと回数を増やすか、低濃度の家庭用の塗布薬や洗口薬、あるいは歯磨き剤の配合でまかなうのがよいと思われる。

 が、たくさん塗ればいい…と思っている方があってそれに迎合するのか、医院に呼んで指導料など保険点数を稼ぐためなのか…毎月塗布している…という方がちょくちょくある。3歳児健診などで遭遇する。どちらの医院ですか? A歯科やB歯科…なるほど。歯科医師会に入っていたら、指摘されてそう言うことは出来ないはずだ。歯科医師会の悪い部分も昨年は大々的に報じられたが本来は良い部分も多い。
 ひとまず、健診時にそんなに必要ない、と言おう…となった。町のフッ素塗布時にQ&Aも渡すようにした。

 昨今の構造計算偽造問題を見ると、消極的対応では駄目なのではないか?と言う気も今は少しある。
 個人で言うと、相手の方が組織が大きいので、何か逆襲されるおそれがある…歯科医師会で言えばいいが、何度か上に言ったが消極的であった。自身も理事として入っており、性格柄力んで言うことも言えなかったが、果たして自分の周囲に降りかかったときに、冷静でいられるのかどうか?他の幹部に本当は聞いてみたい。うるさ型のI先生の方に、その点では親近感を持つのである。

2005年12月16日(金)
日曜診療

日曜日に平常診療している医院があれば便利だろう。夜遅くまで開いている医院もあれば便利だ。
 都会では結構存在している。
 しかし、ライセンスのあるスタッフがいる医療に於いて、バイトでも良いお店と同様なサービスを展開するするのはやや困難である。家族でコンビニを経営しているところのように、院長やその妻などが頑張らないと困難と思われる。親子夫婦で歯科医師のところは多少出来るかもしれないがやはり難しいであろう。
 歯科衛生士も不足なので、遅い時間や日曜日に集めるのは難しい。
 都会で可能なのは、若い歯科医やスタッフを集めやすいからだろう。

 当院の間近に日曜診療を売り物にする医院が7年前に出来た。2週間に1度の広域広告。資本金は1億5000万…とハローワークに出ていた。常勤勤務医2名を始めバイトまで入れると15人くらいのスタッフを抱えていた当院であったが、患者は激減、翌年の私の所得は110万円に落ち込んだ。1年フルに働いてもパートさんと同じくらいしか残らなかった。営業努力が足らないと言われればそれまでだ。なかなかすぐ解雇するのも情が邪魔する。
 スタッフの自然減で今はその年ほどではないが、好調時に導入した厚生年金なども個人医院としては手厚い福利厚生が正直つらい。私の年収は平均サラリーマンくらいである。患者数が平均以下…というわけではないのだが、収入は歯科医師平均以下である。

 日曜の人員も集め、広告もばんばん出すには資金がいる。診療所がはやればペイできるのかもしれないが、定期借地権で土地を借り、勤務医などにも十分な給与を払うとして…誰からお金を集めるのか?と言えば自明の理である。

 うちは土地代はない。もとはうちの田んぼだから。土地代かかったら、もっとうちは縮小だろう。
 ぼやくコーナーではないのであるが…


2005年12月15日(木)
医療は縮小を目的とする業界

医療もサービスである。
 ある程度、快適さ便利さも提供する必要がある。医師過剰の時代で医院間の競争が激しくなれば当然そう言う部分も商業的になってくることは避けられない。ある程度はその方が良いとも言える。
 しかし、ニーズがあればどんどんマーケットが大きくなることが良いことだ…というのが資本主義の理屈だとは思うが、医療は病気を扱うのであるから、本当は医療のマーケットは縮小した方が良いはずなのである。介護もだし、警察や消防も暇な方が良いのだ。防犯や災害防止で忙しいことを除いて。
 スーパーやチェーン展開に圧されて個人商店は衰退してきているが、医院も果たしてそうなっていくのであろうか?薬局はすでにそうなりつつある。
 医療機関でも、病気治療より経営の方が向いている先生は、どうも、事業展開に目がいってしまって果たして病気を無くすことを考えているのか?と疑問に思う。
 虫歯は昔と比べて減少してきている。結構なことである。どんな病気でもそうなるべきである。マーケットを縮めるように頑張るのが我々の業種である。

 実際個人の医院では、やはり多くの患者さんに支持されて忙しい仕事をこなす方が良いに決まっている。どんどん歯科疾患が減ったら困る…こともあるかもしれないが、でも、減らすことが仕事だ、ということは考える必要がある。
 整体などの業種ではあまりに名人は駄目なのだそうな。治るとその後来なくなるからだ。全く効果が無くても藪だと言うことで駄目だが、ほどほど改善してでもなかなか治りきらないようにすることがその治療院の繁盛の秘結らしい。整形外科もそんな感じだ。歯科医院もそうかもしれない。では、うちもそうかも…


2005年12月14日(水)
広告過剰/過剰治療の危惧

  医療機関は広告規制がある。本来営利を目的とした業種ではないし、医療の広告は不適切…とされたからと思う。しかし、これだけ医師過剰となり競争が激しくなり、またインフォームドコンセントが言われ診療情報の提供をせよ…という世になったならば、お決まりの文句だけでない広告も必要かとは思う。
 女性誌やタウン誌などでは、本の紹介や取材の形態をとって巧妙に規制逃れをした美容外科関連の大量の広告が目に付く。
 また、インターネット上では、当初インターネットは限られた人しか見ることが出来なかったので、ネット上の広告は誰もが目に付くという意味での広告に当たらず…という見解が厚生省(当時)から出たため、無規制となっている。
 美容系審美系は過度な広告が目立つ…と感じるのは私だけではないだろう。

 私も美容外科のことは分からない。
 しかし、併設の審美歯科の広告を見ると、どこの歯科医院でも出来るようなメタルボンド冠などが○○クリニック式スーパーファインエクセレントビューティーセラミック法(どこかに本当にあるといけないのでオーバーに長くしました)などとして独自の方法のように宣伝してある場合もある。…ということは、美容外科手術についても、△△美容外科オリジナルの…というのも怪しいものである。一般の方は分からないだろうから「そうなのかな」と思ってしまうこともあるだろう。
  以前は、我々から見れば、何だこの雑な作り方は!という例がbefore→afterとして載っていたこともあるが、最近は症例を選んでいるようだ。
 しかし、美容外科と、審美歯科の決定的違いがある。

 二重まぶたにしても、鼻を高くしても、目や鼻の機能とは無関係だ、ということである。目っくり玉そのものや鼻の中を触っているのではないのである。しかし、審美歯科は歯を削っている。削ったらもう戻らない歯を。歯が綺麗になるように差し歯にするのは、目が綺麗に見えるように眼球にメスを入れることに等しい。

 だから良くない…というのではなくて、慎重に十分考えて欲しいということである。美容や審美を否定しているのではない。だれでも綺麗な方が好きである。
 口腔内装具を入れて矯正治療をすると2年かかるところがたったの2回の受診ですむ、芸能人、モデルはこの方法で治している…と宣伝している。露出の多い人は目立つ装具を付けられないから確かにそうだろう、歯科医から見るとよく分かる。
  しかし、多数の歯を2回で終了するのは大変危険である。噛み合わせの位置が狂いやすいからである。
  調節性咬合器を使用して下顎運動を十分吟味する必要がある。また、仮歯で様子をみたり、入れてからも仮付けで様子をみる必要がある。
 もし、良くない形態、噛み合わせで6本など多数の補綴(ほてつ=差し歯や入れ歯を入れること)をしたとしよう。
 運がよい場合、短期間にセラミックが破損するだろう。
 何故運が良いかというと、負担が作り物に作用したからである。一目瞭然なので文句が言いやすい。
 だいたい、6本など多数歯を繋げて作っているので、見かけ上くっついていても1〜2本剥がれてくる…と言う事態も起こる。稀ではなくよく起こるはずだ。欠損歯があるブリッジならまだ良い。6本も繋げた場合は特に起きやすいはずだ。どんなによい接着剤を使用しても起きる。
 歯は生理的動揺というものがある。0.2ミリは横揺れするものなのだ。それを6本繋げたらどうなるか?
 歯は飾っておいてあるものではなく、毎日強い衝撃を受けることが仕事の器官である。毎日ぶちのめされている身体の部分は歯だけである。
 だから、多数歯を繋げると剥がれるのである。
 ブリッジの場合は途中の歯がない部分の金属のわずかな弾性がひずみを吸収するのでまだましである。でも、ブリッジでもたくさん繋げるのは良くない。

 差し歯で歯列矯正したとしても、繋げないで1本ずつにすべきであろう。
 では何故繋げるのか?
 歯を移動する矯正と違い、差し歯で治す場合は、歯の根の位置はそのままで頭の形態や向きだけを変えるのである。そこに咀嚼という強い衝撃を受けていると、歯並びが乱れてくる可能性があるのだ。審美が売りだからそれでは困るのである。また、製作段階でもチェアサイドでの装着時の調整でも一塊の方が時間がかからない…という提供側の理屈もあるだろう。
 
 また、歯冠だけで綺麗にするにはたくさん削る部分が出てくるので、神経を取る必要がある歯が出てくる。神経の治療をしていたのでは2回では済まない。1回の治療に時間を掛けても、神経除去後の傷の治りに日にちがかかる場合も少なくない。短い治療期間は結構無理をしているはずだ。
 面倒でも回数を掛けて治療してくれる先生の方が良いと思う。きちんとした治療を受けるなら忙しさという社会的面を少しは犠牲にする必要があると思う。

 多数歯を繋ぐ場合表はセラミックでも裏は金属の使用がいる。単冠や1歯欠損のブリッジは金属なしのものも出てきてはいるが、繋ぐ場合はまだ金属は必要と思った方が良い。その場合、歯が妙に不透明な白さになり自然感を出しにくいのである。銀歯の代わりとして出てきた当初は白くて強くて変色がなければそれで十分だったのであるが、より美しく…という時代にはやや不向きな面もある。だからオールセラミックなるものも出てきたのだ。
  それでも本当に腕の立つ歯科技工士であれば金属付きのセラミックでも結構自然感を出して作ってくれることもある。
  最近、同じセラミックでも3段階くらいに分けているところがあるが、安い場合はこの程度は我慢しろ…と言わせるためかもしれない…とふと思う。

 やや前突していた歯を差し歯で引っ込める場合、特に注意がいる。下顎の動きが前突に合っている場合、歯だけ引っ込めると下顎が動くときにぶつかるのである。1本だと自覚しやすいが多数の歯を一度に入れると、まだ慣れないから…などと歯科医にも言われ、自分でもそう思ってしまってやり過ごす場合が出てくる。
 作り物がすぐ割れたり外れたりしない場合、身体の方にストレスがかかるのである。

 頭痛や肩こり、目の当たりの違和感、顎関節の異常、何とも言いにくい頭頚部の異常感などが出てくる。それに何年も悩まされた人もあるのだ。
 患者さんが強く希望して前歯の歯列不正を治したならまだ、いい。でも、1本治したかったのに勧められて4本治したばっかりに苦しんだ…となれば本来訴訟ものであろう。
 美容外科、審美歯科の勤務歯科医師は、恐らく歩合制である。ある程度営業成績を上げる必要がある。無料カウンセリング…というのは言葉のテクニックを駆使して、余り考えていなかった部分も一緒にたくさん治療させるための時間である。個室で長い時間説明を受けると、そのまま帰るには悪い…などという妙な気持ちになってしまう心優しい人たちが犠牲になりやすい。そう言うところは、図々しい気持ちで行くべきだろう。


 

2005年12月11日(月)
「歯科」の目的
 医療の中の歯科の目的は歯を保存することです。
 私たちは毎日歯を削ったり、歯を抜いたりしています。
 しかし、削ること抜くことはやむなく行う手段の一つであって、歯を守ることが大元なのです。
 保険でも自費でもたくさんの歯を削ったり抜いたりした方が料金が上がる体系になってしまっていますが、現状ではそれは致し方ない部分はあるにせよ、歯を守ることが頭に位置も入れていることが必要です。
 当たり前のことですが、当たり前のことが出来ていない方があるようです。
2005年12月10日(土)
「きれい事」が大切なのです。
 私たちの目的は歯科医療を提供し地域の方々の健康に寄与することです。歯科医院の組織はその手段に過ぎません。医院経営が目的で医療提供が手段ではありません。
 何を言いたいかというと、収入のために患者さんの治療をするのではない、ということです。もちろん、院長の私もスタッフも生活がありますから、食べていくための収入は要ります。でも医療をする目的を忘れずにいることが大切なのです。
 生活のためにやむを得ず良くないと思いながらしてしまう…のでは、いずれ破綻が来ます。自分だったらどうして貰いたいかを考えての治療が大切です。きちんとしていれば贅沢は出来ずとも食べていくことは出来ると思います。
 もちろん、治療技術だけ良ければサービスが悪くても構わないとかとういうことでもありません。治療の周辺のこともそれなりに快適さを追求する必要はあります。
 言いたいことは目先のことに惑わされず本来のことをいつも考えるべきと言うことです。
 医療や福祉のことでなくても営利企業でも同じはずです。
 ちょっと抽象的ではありますけど。
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