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建築産業の技術向上に伴い、メーカー各社は新素材を競うように開発し続けており、我々

設計者ですら知らない物が世の中にはたくさん溢れています。正直な話、依頼者の方から

教えられる事もよくあります。

情報過多気味の現代社会に於いてはそれらの目新しい情報ばかりに惑わされず自分にとって

一体何が必要で何が要らないのか?を整理する事が住まいづくりに求められています。

因みに私が考える豊かさ・豊かな生活とは・・・・・・・

  • 狭くても家族が仲良く集って楽しく暮らせる生活
  • 癖があって少々使い勝手が悪かったり不便であっても本物がそこにあると言う存在感
  • 自然の木々や事象を美しく感じられ、それを喜びと思える感性をもつ事

生活の豊かさとは高価な材料や設備を使って部屋数とスペースを満足させれば得られると言う

ものではありません。

これから住まいづくりをお考えの皆さんは、自分自身や家族にとって何が本当の「豊かさ」

なのか?を今一度じっくり考えてみては如何でしょう?




時間に耐え得るものとは流行に流されない普遍的なデザインであり、奇をてらうものでは

ありません。

将来的にゴミにならない建築(時代と共に使えなくなって壊さざるを得なくなるもの)、プラン的

にもある程度循環が可能であったり、他用途に転用が可能であるという解釈であってその

ような建築づくりを目標に日々目指しております。なかなか簡単な事ではありませんが・・・・・




戸建住宅を購入する予定がある人達を対象にした「なぜ個人の設計事務所を選ばなかった

のか?」と言う日経アーキテクチュアーのアンケート調査結果によれば、設計事務所に支払う

設計費用が高そうだからと答えた人が全体の7割を占めたそうです。これは何を意味するかと

申しますと、設計事務所に依頼して住まいづくりをする人は高額な設計費用を払ってでも標準

以上の住まいを建てたい金銭的に余裕のある人と思っている人達が多いと言う事です。

その一方で我が国特有の現象とも言える住宅は建てるものではなくて「購入するもの」、即ち

住まいも買物感覚で考えている人達が圧倒的に多いと言う嘆かわしい現実を示すデータとも

言えます。

「住まいづくり」とは?多くの場合、一世一代の大事業です。せっかく多額のお金を投資して

築くのですから予算の範囲で納得できる最大限の要望を盛り込みたいと誰しもが思う筈です。

それを現実化するためには専門の知識と経験がなければ出来るものではありません。

我々個人が主宰する俗に言うアトリエ設計事務所は建て主のパートナーとして工事請負者との

間に立ち、図面で描いた夢を現実化させる事を主な業務としております。そのためにも我々

自身が自由で独立した職能人としての立場を確保していなければなりません。

我々が頂く設計報酬(設計料)にはその立場を確立させる意味が含まれています。


住まいへの夢を具現化するプロセスに於いて、次第に「現実」と言うものが目の前に現れて

きます。

そんな時「何故住まいを建てるのか?」と言う基本にかえって認識し直せば本当に自分達に

とって何が必要なのか?が見えてくると思います。それらを取拾選択して以外を削ぎ落とす事

で予算をスリム化させる事が可能となります。

人間ひとりひとり価値観が違います。当然こだわりだって違います。住まいづくりも百人が百様

であり何が正解か?などと言う答えはどこにもありません。自分にとって居心地の良い空間が

実現出来れば良いのではないでしょうか?予算はたくさんあるに越した事はありませんが、

お金をたくさん掛けさえすれば良い住まいが出来ると言うわけではありません。我々設計者は

どのようなケースに於いても自作と言えるようなレベルを保った良質な空間をクライアントに対し

提供すべく日々研鑽を積んでおりそうした設計のひとつひとつが真剣勝負なのです。




ハウスメーカーや工務店で住宅購入を考えている人達の悪いケースとして聞こえてくるのは

ヒステリックな位に断熱や高額な設備を盛り込んでそれを自分の予算内で実現してくれたら

契約する等とほのめかしつつ見積書を出させて、それを他の建築会社へ持ち込んで秤に掛ける

と言うケースです。

自分の予算以上のスペックで自分の言いなりでやってくれそうな業者と契約出来れば確かに

その時は満足感を得られるかもしれませんが、果たしてそんな理由で多額の財産を委ねなけれ

ばならない相手先となる建築会社を選んで良いのでしょうか?そんな理由で揺ぎ無い信頼関係

が成立出来るでしょうか?答えは「NO!」だと思います。

住まいづくりにとって先ず大切な事はお互いに信頼関係が確立出来ているかどうか?にあり

ます。それと職人や社員が現場できちんとした仕事をするためには適正な利益が会社になく

てはならないと言う事です。ですから契約額を不当に値切ると言う事はクォリティ-に少なか

らず影響を与えると言う事に繋がる場合だって考えられますので避けたいものです。

良い住まいを手に入れるための第一歩として先ずはパートナー選びが大切です。そのためには

対話を重ねる事が必要なのです。

皆さんの価値観にとって何がプラスで何がマイナスなのか?を見極める事こそが住まいづくりに

とって必要な資質と言えるのではないでしょうか?




大きくて如何にもお金が掛かっていそうな立派な屋敷を見掛けることがよくありますよね?

大きい事は否定しませんが、ヒューマンスケール(人間尺度)を越えてしまう空間はどこか

落着きが悪くて突き放されるような冷たい感じがしたり下手すればお金に物を言わせただけの

成金趣味的な空間になってしまうものです。

名建築と言われるものの多くは写真で見るよりもスケールが圧倒的に小さくて親近感を感じ

たりするものです。人間の五感と言うものに基いて考えてみると、高いところがあれば低い

ところがあったり狭いところがあれば広いところがあったり・・・・・・そのような空間のメリハリが

居心地の良さを形成してゆくと私は思います。子供の頃、押入れのような狭いところに入ると

何だか分からないけど落着く感じがありましたよね?それって居心地の良さだと思うのです。

メリハリのある空間と日々の生活に彩を添える仕掛けや設えというものを設計者として大切に

心掛けてゆきたいと考えています。そのためには我々の協働者となる工務店選びが重要な

要素となります。住まいに対するクライアントと設計者の思いを汲み取って面倒がらず職人の

誇りをもって施工してくれるパートナーが何よりも大切なのです。




















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