アイ・サポート研究所 【セミナー・講座・研究会】
| [ 報 告 ] | |
| LLブックのLLとはスウェーデン語で「やさしく読める」という意味。この「LLブックをすすめる」というシンポジウムは知的障害・自閉症児者のための読書活動を進める会が主催となり2006年7月 ブロール・トロンバッケ氏(スウェーデンのLLセンター所長・元IFLA障害者サービス分科会常任委員)の講演会を皮切りに今回で3回目となる。この会は「だれもがみんな読書を楽しみたい。知的障害や自閉症、読み書き障害、失語症などがあっても願いはいっしょ」を合言葉に絵記号を使った分かりやすい本の刊行、マルティメディアDAISY図書の研究等を行なっている。 当日は用意された140部の資料が無くなるほどの参加を得、年を重ねる毎にテーマへの関心が増えてきているとの実感を得た。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 会員の吉田くすほみ氏のあいさつの後、同じく会員の藤沢和子氏より「知的障害者のためのマルティメディアDAISY図書」、そして服部敦司氏より「近畿視覚障害者情報サービス研究協議会 LLブック特別研究グループの活動」〜視覚障害者サービスの実績とノウハウを学習障害者や知的障害者へのサービスへ〜というテーマでの活動報告がされた。 それぞれの職場で実際に障害のある人へのLLブックを使っての取り組みや図書館で作成されたブックリスト等が紹介された。 ![]() 今回の講演は野沢和弘氏による「知的障害者とコミュニケーション〜『ステージ』編集から〜」だった。 ステージは知的障害者のための新聞として1996年9月に創刊された。タブロイド版、8ページで年に4回「全日本手をつなぐ育成会」が発行もとである。編集には同会職員、知的障害のある本人、毎日新聞の記者などが携わっている。 「あまり福祉っぽくないものにしたい」「抽象的な概念や論理は苦手だが、普通の大人と同じように政治にも経済にも事件にも興味がある。もちろん恋愛や結婚や性への関心だって強い。知的障害があるからと言って子ども扱いはやめてほしい」という支援者からの要望に応えるべく、自らがステージの編集をするにあたり新聞記事をいかにわかりやすくするか等を具体的にお話しいただいた。 また障害のある本人との協同作業の中で、こちら側のかかわりで本人たちの表し方が違ってくること、ハンセン病関連の取材において彼らだからこそ引き出せたものがあり感動したという話など、大変興味深い内容だった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「わたしたちの好きな本、わかりやすい読み物」〜知的障害のある当事者から〜 当日は岩崎園長が総合司会を務めた。最後は講師やスタッフの方々、全員に壇上にあがっていただき、本人たちの声を中心とした、会場とのディスカッションをこころみた。 ワークセンタ豊新から3人の利用者が「今どんな本が好きですか」「どんな本が読みたいですか」など職員からのインタビューを受けて発表した。⇒資料1 ワークセンター豊新では絵本やおはなしの専門家を招き、読書を活動のひとつとして重視してきた。読書そのものにこだわらず本の読み語りや紙芝居、お誕生会の内容に工夫し、様々な角度から本の世界に親しみ、読書体験ができればと模索中だ。また地域の図書館にも出かけ、読みたい本を自分たちで選んでいる。 今回は一人ひとりが自分の言葉で慣れない壇上からにもかかわらず「こんな本が読みたい」と力強く訴えた。その後、フロアーからの質疑応答が講師の方々につい集中。当事者にとって分かりにくい話が続くことになり、「もっと私たちに質問してください。」と本人からの意見が出された。前回のシンポジウムでも当事者や親の発言が聞いている方にもひしひしと伝わるものがあった。まだ耳慣れない「LLブック」の普及も「知的障害者の読書権」という視点と今回のように当事者が声をあげる、その声を真摯に受け止め、一緒になって考える私たち側の問題ということを気付かされた。 |
| [ 参加された皆さんからの声 ] | ||
●野沢さんの講演について
●その他の講演等について
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