#096 ≪黒くて無骨でスローな≫
数字や番号には様々な思い入れがあります ギターなら45 35 18 28
ダッチオーブンなら12 8 10 ダッチオーブンは鋳鉄で出来た黒くて重たい鉄鍋です
この無骨でスローな鉄鍋を眺めていてふと思い出しました 62 51 11 57 58
アルファベットを加えるとC62 D51 C11 C57 C58 これは蒸気機関車です CやDは動輪の数を表しています Cは三対 Dは四対となります 有名なD51“デコイチ”は 生産台数も多く貨車から客車までを牽引し 四ツの動輪でパワーも強かった様です
また花形である特急を牽引していたC62は 日本最速の蒸気機関車でD51をさらにパワーアップさせたD52のボイラーを流用し 三ツの動輪は大きくスピードを追求したものでした

一方で 小さい蒸気機関車も活躍していました 親父(S7年生)から聞いた話では 当時から東海道本線(京都線辺り)は複々線(つまり4車線)で同じ方向に 一方は電車そしてもう一方はC11が並んで走っていたそうです 並んで走ると競争したくなるもので 特に蒸気機関車の運転手は電車に負けまいと意地になって走っていたそうです
親父の話を聞いて「ダイヤがあるんやからそうはいかんやろ」と突っ込んでいましたが


あと数年で蒸気機関車が姿を消すという70年代 中学生の私は奈良方面の関西本線や信楽線(現信楽高原鉄道)へ足しげく撮影に出かけていました 一番遠出したのは 山陰本線のD51やC11を追いかけ倉吉線(すでに廃線)へも行きました 写真を撮る為に雪の中を何キロも歩いたり 道無き山を登ったりと

先般実家へ帰った折 昔の写真を探し出しました カメラはコニカC35 その後 親父のオリンパスM−1(さらに後にOM−1へ)を貸してもらっていました トップの写真は東海道本線を走る蒸気機関車の特別列車(当時はよくイベント列車がありました)を牽くC62-2号機を“流し撮り”したものです 流し撮りとは 動く機関車に合わせてカメラを動かすことにより 周りの風景が流れ機関車は止まって撮るというテクニックです ちなみにC62 2号機は今も京都の梅小路蒸気機関車館に保存されています

黒くて無骨でスローな鉄の塊 私がダッチオーブンにドップリ浸かっているのはこのあたりの経験から始まっているかも知れません 当時は蒸気機関車そのものの写真を撮っていました 今改めて写真やネガをチェックすると 僅かに写っている駅舎や旧式の信号機 売店etc そんな風景をしっかり収めておけば良かったのにと悔やまれます 今 私達の目の前にあるものは30年後にどうなっているのか 記録すべきもの 記憶に残すべきもの しっかり見極めることが“次を生む”ことになるのかなぁ と埃っぽい写真を眺めています
もうすぐ冬休み 皆さんも実家の押入れを探検されては如何ですか そこには自分だけのテーマパークがあるかも知れませんよ
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