ダイエット食品

多くのダイエット食品はつらい食事制限や運動も一切不要で、ただ飲むだけで思い通りの減量効果を実現するなどと言っています。「断然違う減量パワー、体脂肪をグングン燃やす、好きなものは食べ放題、リバウンドなし」などの刺激的な言葉のオンパレードです。折り込み広告や女性週刊誌に限らず、それを証明するかのようにやせた人の体験談や実際の写真を掲載しているのも共通した特長です。


dietとは英語の辞書を引くと「肥満防止のための規定食、食事制限、日常の食事」となっています。英語では減量などとは一言も記述がないのですが、これが日本では大抵「やせるイメージ」として使われています。ダイエットという言葉自体は食事制限や、やせるという漠然としたイメージで使っていますので、この言葉自体は薬事法違反にはなりません。ところがほとんどのダイエット食品は「やせる」と記述していますので、この時点で薬事法違反、景品表示法違反になります。


薬事法に規定される医薬品の定義の一部を引用します。薬事法第一章、第二条の三、「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、器具器械でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く)」ダイエット食品はまずはこの薬事法に抵触します。医薬品でないのに「やせる」という身体に対して影響を及ぼす効果を宣伝しているからです。実際に悪質なものは摘発されています。


これらのダイエット食品の特徴の一つが体験談と称して実際にやせたという人を紹介しているものです。この体験談自体は薬事法違反にはなりませんが、非常にあやしいものです。まるまる太った女性が水着を着て正面を向いた状態で不機嫌そうな顔をしながらピースサインを出しているというのが手元の広告にありますが、考えられません。その女性が広告にあるダイエット法でやせた写真も同時に掲載していますが、これが別人のようにやせています。しかも足の大きさや骨盤まで小さくなっています。これなどはパソコンで写真を加工している典型例です。


手元にダイエット広告があります。これによると「一週間で5kg、10kg、超高速。20代のボディーがよみがえる!これが最後のダイエット」とデカデカと記述してあります。こういう大げさな文句とは裏腹に成分表示はなく、たくさんの体験談と医学博士がダイエットについてのあたり前のコメントを掲載しているのみです。私はこの会社にTELしました。


注文センターに初めに電話したのですが、どうやら苦情専門の番号があるらしく、たらいまわしにされてしまいました。そこでは男性が応対してくれました。まず成分はカプサイシン、ガルシニア、キトサンであることを聞き出しましたが、配合量は企業秘密ということで教えてもらえませんでした。次にズバリ「やせますか?」と質問しましたが、途端に口ごもるような口調になり、「実際にやせた人もいるみたいです。広告にある一週間で5kとか10kとかは難しいですけど、1ヶ月で2kgぐらいやせる人が多いみたいです」と、まるで他人事のような返答でした。広告では薬事法違反でも、個人の責任を追求されるのは恐いようです。


さらに「広告には食事制限不要と書いてあるが本当か?」と突っ込むと、しどろもどろになりながら「食事制限と運動をすれば効果はより早いです」という返答でした。だったらこの商品を飲む意味がなくなります。言うまでもなく完全なインチキダイエット食品です。成分のカプサイシン、ガルシニア、キトサンは、いずれもまともな効果などあるわけもなく、科学的に効果を証明した文献や臨床報告は存在しません。おそらく体験談は写真の角度を工夫してやせたように見せかけたか、厳しい食事制限と運動でやせたか、初めから太っていなかったかのどれかです。


これ以外にも、もっともらしい成分解説とやせたという体験談と写真、あやしい専門家の意見を掲載した広告が非常に多く氾濫していますが、99.9999%インチキと私は断言します。体験談などいくらでも捏造することは出来ますし、写真はその会社の社員や家族、モデルということも十分考えられます。中には実際にやせる人がいるかと思えば、下剤や食欲抑制剤をひそかに配合している危険なダイエット食品もあります。これなどは薬事法違反でやはり摘発されていますが、こういう商品もひそかに流通している可能性もあります。また減肥茶などは漢方薬のようなイメージ戦略で販売していますが、利尿作用のあるお茶ですから水分が減るだけで脂肪には一切関係ありません。


肥満は一種の病気で、これが色々な生活習慣病の原因に必ず絡んできます。また医療費が増大し、健康保険はもうパンク寸前の状態で、来年から医療費の負担も国民に課せられる予定です。こんな中、国を上げて病気の予防に取り組む「健康日本21」が今年からスタートしましたが、その中にも適正体重をBMIという指数で目標値が決められています。もし本当にこれらのダイエット食品に効果があるのであれば、特定保健用食品の認定を厚生労働省にもらうべきです。もっとも厳しい審査がありますので認定されるはずもありませんが。


皆さんこれを頭に叩き込んでください。

好きなだけ食べながらやせることは絶対に不可能です




<11月7日追記>

ネットに誇大広告の疑い 
ダイエット食品17業者に警告

「食事制限なしでやせる」など、根拠の乏しい広告をインターネットを通じて流していたなどとして、公正取引委員会は1日までに、ダイエット商品を扱う17の通販業者らに対し、景品表示法違反(優良誤認)となるおそれがあるとして口頭で警告や注意をした。
警告を受けたのは東京都内などの10業者で、ほかに7業者が注意を受けた。公取委によると、業者らはインターネットのサイトで「毎食前に飲むだけでOK 無理なくやせる」(錠剤)、「中国では100万人の女性がダイエットに成功」(茶)と、効果を誇大に表現するなどした広告を出していた。
公取委はこれまで3回にわたり、商品分野を決めてインターネット上の広告を集中的に調査している。今回の警告・注意は、1回目のテーマだったダイエット商品の調査で特に悪質だった業者に対して実施された。(2001.11.01 19:01)


以上朝日新聞ホームページ今日の朝刊より


公正取引委員会ホームページより


<景品表示法違反の例>

極めて短期間で痩せるかのように表示していたもの
(事例)
「グーンとやせて,理想体重に急接近!スリムな肢体がよみがえる1ヶ月平均ラクラク5〜6kg減量!,飲んだその日から実感を持って,早い人は1週間で普通3,4キロはヤセます。」
(食品:ヨーグルト)

 

その食品の摂取のみで痩せるかのように表示していたもの
(事例)
「○○は,毎食前に飲むだけでOK!!無理しないで,自分に正直に“やせる”ダイエットです。頑張らないで,無理しないで自分に正直に“やせる”ダイエットです」
(食品:錠剤)

 

架空の利用者の体験談を表示していたもの
(事例)
「無理な食事制限もする必要はありません。息子も一緒にダイエットに成功!」
(食品:香草)

 

根拠なく,痩せる効果が一般的であり又は学問的に認められているかのように表示していたもの
(事例)
「食事制限はありません。専門家が中国医学理論や内分泌学説に基づき,ダイエットに良いといわれる天然素材を独自に調合したものです。」
(食品:茶)

「中国で100万人の女性がダイエットに成功しました。中国衛生部試験所による本品の試験結果はダイエット効果大と発表されました。」
(食品:茶)

 

その他
(事例)
「○○を飲用すると,身体の酵素のバランスが保たれ疲労は減少されます…毎日飲むことにより若さを保ち,疲労回復,強精,強壮…二日酔いも楽になり体力増強,食欲増進,老化防止,栄養補給…勉学能力を高める,回復,若返り……病中,病後に成長促進し健康維持します。」
(食品:ミネラルウォーター)






管理人よりひとこと

 信じるものはバカを見る!

信じた人はあっさりと騙されてください


以上末端価格1億円で見つけました
(ここでは色んなトンデモ商品を見つける事ができます) 






<11月21日追記>


ダイエット食品の被害


香港製やせ薬に副作用

香港消費者委員会は15日、域内で販売されている36品目のやせ薬、体内毒素排出薬の成分を調べたところ、22品目から強力な排便作用を促す化学物質アントラキノンが検出されたと発表した。長期間服用すれば腹痛や肝炎などの症状を引き起こす可能性を指摘、2週間以上服用しないよう注意を呼びかけている。日本にも輸入されている竜発製薬の「排毒美顔宝」もふくまれている。(中国新聞11月17日)
「解説」
これは下剤成分が入った例です。アントラキノン類は大腸に作用する刺激性下剤で、脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの吸収を阻害したり、常用すると栄養不良なども起こる可能性があります。つまり便通異常のない人が飲めば下痢や腹痛を起こしたりする可能性が高く、便秘の人であっても下剤というのは便秘を治すのではなく、便を無理やり出すお薬ですからこのようなものに頼らないほうが賢明です。ダイエット効果については栄養失調状態を強制的に作り出すもので、やせても健康ではいられません。



健康食品服用で被害訴え

福岡県薬務課は19日、やせる目的で健康食品を服用した20〜40代の女性6人が、どうきやけん怠感など甲状腺機能亢進症とみられる健康被害を訴え、3種類の健康食品から甲状腺末が検出されたと発表した。6人の症状は軽くすでに回復している。甲状腺末は、動物の甲状腺を乾燥、粉末にしたもの。同課によると3人は「COMET]、「Challenge forty one」、「美麗痩身」をそれぞれ服用。残る3人はすでに甲状腺末の含有が確認されている「紆之素佼嚢(せんのもとこうのう)を飲んでいた。(中国新聞11月20日)
「解説」
甲状腺機能亢進症の大部分はバセドウ病です。これは代謝が異常に亢進するために動悸や発汗の増加、食欲は増進するのに体重減少、いらいらなどの精神症状、眼球突出などが現れます。ここでのダイエット食品は甲状腺末が含まれていることから、代謝の異常亢進を目的として配合されていたのだと思われます。ダイエット食品でこのような危険な成分が入ったものは確かにやせますが、同時に健康を著しく損ないます。




管理人よりひとこと

危険なやせ薬に注意!

それでも信じると言う人はとっとと騙されてください