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          非常放送と消防法 

 

 

放送設備の中には、消防法にて規定されているものがあります。

それは、自動火災報知設備と連動し、火災の時に自動的に放送する設備であり、

「非常放送設備」と呼ばれています。

ただし、呼出 BGM チャイム 等、一般業務放送にも使用される場合が多く、

この場合は「業務兼用非常放送設備」と呼ばれます。

 

 

なお、非常放送設備のアンプ部を、防災アンプと呼び、

壁掛け型とラック型の2種類があります。

 

 

防災アンプ以外の機器としては、非常リモコン 非常用スピーカ アッテネータ

カットリレーがあります。

 

 

消防法は頻繁に改正されており、

それに伴い、非常放送設備の性能も、下表のように進化してきました。

サイレン警報

の時代

 

旧消防法

手動放送

 

 

火報連動機能の追加

火報からの起動信号により

自動的に放送

直上階連動機能の追加

直上階 地下階 エレベータ階段

にも自動放送

地区ベル停止機能の追加

マイク放送中は

火報の地区ベルを停止

音声警報

の時代

 

新消防法

 

 

音声警報に移行

火報の地区ベルを廃止し

スピーカから音声にて警報

 発報放送  火災放送

 非火災放送

館内一斉放送機能の追加

一定時間経過後に一斉放送

時間は任意に設定

大空間での基準変更

 

音圧レベルの計算に加え

残響時間の計算が必要

 

 

なお、1000平方メートル以上 又は 面積の1/2以上 の増改築工事においては、

非常放送設備も火災報知設備も改修し、新消防法に適合させなければなりません。

 

 

消防法では、スピーカの種類 スピーカの位置 について、かなり細かく規定しています。

消防検査において、スピーカの追加を命じられる場合もありますので、注意が必要です。

 

 

 

スピーカの種類

  スピーカはその出力音圧により、3種類に分けられています。

    S級  84〜87dB未満

    M級  87〜92dB未満

    L級  92dB以上

  但し、大抵のスピーカは、1W入力で92dB以上の出力があります。

  なお、音圧を測定する時は、第2警報音を、スピーカの軸上1mで、

  騒音計をCレンジにして、測定します。

  また、スピーカとパネルの組み合わせで認定を受けていますので、

  塗装や改造等は行えません。

 

 

 

スピーカの配置の基本

  放送区域(部屋 扉等で区切られた廊下)毎に、スピーカが必要です。

  スピーカがカバーする範囲は、スピーカの前面方向180度の範囲だけです。

  どこにいても、10m以内にスピーカがあることが必要です。

  距離は、歩行距離であり、聴取点は床上1mです。

  体育館等の大きな部屋では、計算による別の規定があります。

  屋上は、フェンスがあれば、スピーカも必要です。

 

 

 

居室への設置(常に人のいる 居室 病室 事務室 会議室 作業室 等)

6u以下

8m以内にスピーカがあれば、不用

50u以下

S級 M級 L級 どれか1個

100u以下

M級 L級 どれか1個

100uを超える

L級を必要数

 

 

 

非居室への設置(常には人のいない リネン室 倉庫 機械室 等)

30u以下

8m以内にスピーカがあれば、不用

50u以下

S級 M級 L級 どれか1個

100u以下

M級 L級 どれか1個

100uを超える

L級を必要数

 

 

 

 

廊下への設置(廊下 通路 風除室 等、避難路となる場所)

6u以下

8m以内にスピーカがあれば、不用

6uを超える

L級を必要数

 

 

階段への設置

  垂直距離で7.5m以内にスピーカが必要ですので、

  壁掛スピーカの場合は、1,3,5 というように、奇数階に

  天井スピーカの場合は、2,4,6 というように、遇数階に設置します。

  また、系統は、階段専用にします。

 

 

エレベータへの設置

  箱の中にもスピーカが必要です。

  また、系統は、エレベータ専用にします。

 

 

大空間室への設置(体育館 宴会場 吹き抜け 等)

  以前は、音圧75dBを確保することと、

  最大カバー範囲は下表の通りであることだけが条件でしたので、

  簡単に計算できました。

天井高

スピーカの

種類

水平設置(壁取付)

垂直設置(天井取付)

取付高さ

L×W

20m

以下

トランペット

35

25

20

10×10

クリアホーン

28

30

20

20×20

コーン

25

35

20

30×30

20m

超える

トランペット

50

35

50

25×25

クリアホーン

40

45

40

35×35

コーン

35

50

35

50×50

 

 

  しかし現在では、

  75dB以上を確保することは同じですが、

  500Hzでの残響時間を計算し、

  その値が3秒未満か3秒以上かで計算方法がかわります。

  また、スピーカにより、カバーできる角度範囲が異なります。

  この計算は非常に複雑ですので、別紙にて説明します。

 

 

 

屋上への設置

  上記の大空間の3秒未満を参考にします。